不規則・ダミアンのブログ

毎日の日記、誰かの些細な救いになれば。

パーフェクト・ワールドの記録

 パーフェクト・ワールド

パーフェクト・ワールド(字幕版)

パーフェクト・ワールド(字幕版)

  • 発売日: 2015/03/15
  • メディア: Prime Video
 

 作品情報

  • 上映時間 138分   

あらすじ

刑務所に収監されていたブッチ(ケビン・コスナー)とテリーが脱獄。その後、車を使い逃走するがテリーが見知らぬ家に上がり込み面倒を招く。

ブッチは状況を見かねて家に上がり込むが隣人の老人が銃を持って応戦。ブッチとテリーは人質を使って老人から銃を手放すようにと合図を送る。老人は銃を置いたが家の近辺に住む人達は異変に気がつく。テリーは人質がいるとブッチに言う。ブッチはフィリップという少年を人質にすることにし、彼を車に乗せて逃走を図った。それがブッチとフィリップの奇妙な友情の始まりだった......。

 

感想

ブッチとフィリップが歩んだ擬似親子の旅はいくつもの壁を乗り越え、次第に愛情に近い友情を互いに実らしていく物語の展開に不満なく普通に感動しました。 

完璧な世界など存在しない。

タイトルになっているパーフェクト・ワールド。その集大成とも言える演出がラストのブッチの射殺だと思うのですが、それ以外にも完璧な世界は存在しないとポジティブな面で表現しているのが宗教の問題だと思います。

少年フィリップは宗教上の理由でハロウィンを始めとした数多くの儀式への参加を禁止されています。いわば、宗教によって隔離された世界も一つのパーフェクト・ワールドなのです。儀式が余計なものと仮定すれば、余計なものが存在しない世界なのですから。

しかしフィリップはブッチとの出会いをきっかけに自らパーフェクト・ワールドの破壊を試みます。実際、作中には冒頭に禁止されていたハロウィンを実行します。

フィリップは悲劇の面だけではなく、喜劇の面でも完璧な世界は存在しないと知るのです。

 

共演と言えるのか、イーストウッドとコスナー

この映画、あんまり押し出していないのですが一応イーストウッドとコスナーという新旧世代のスターの共演という見どころがあるのです。が、共演しているのは最後のみ。驚くことに、最後のみ。 

実際、この映画をきっかけに不仲説が跡を絶たないようですが、なんとも言えませんね......。

 

まとめ

コスナーの門と冷やかされたダンス・ウィズ・ウルブズで成功を収めたコスナー。

映画界で不動のスターとして君臨するイーストウッド

二人の共演で生まれた映画は完璧な映画であることは間違いないと思います。

ある種、マナーとルールに支配された現代。傾いたパーフェクト・ワールドに身を置く私達も何かをきっかけにモラルを守りつつ成長していきたいですね。

チャイルド・プレイ(2019)の記録

 

チャイルド・プレイ(字幕版)

チャイルド・プレイ(字幕版)

  • 発売日: 2019/11/20
  • メディア: Prime Video
 

 作品情報

チャイルド・プレイ 2019年公開

  • 監督 ラース・クレヴバーク
  • 脚本 タイラー・バートン・スミス
  • 出演 オーブリー・プラザ
  •    ガブリエル・ベイトマン
  • 上映時間 90分 

感想

今作はチャイルド・プレイ(1988年)のリブート作品となります。

当然、前作は存在しませんので一本で楽しむことができます。近年、チャイルド・プレイの続編は多いのでよく混乱しますが、今回は大丈夫ですね。

設定 

さて、今回は設定が大きく変わりました。

オリジナルのチャッキーは殺人犯がブードゥ教の魔術の力によって人形に命を吹き込み、チャッキーとして生まれ変わり殺戮を始める。というものでしたが、今作は工場で働く男が最期の仕事としてAIの規制を解除することによってチャッキーは暴走することとなります。

そのためオリジナルのチャッキーとは別種の恐怖が潜んでいるということになります。私はこの設定変更はリブートという新しい作品の構築に非常に大きく貢献したと思います。リメイクという形を取るにしろ、チャッキーのマンネリ化は避けられません。その上でチャッキーの正体の根本を変えるというのはマンネリ回避に大きく繋がったでしょう。

 

狂った人形の行方

ここではそれを言ってはおしまい。 という答えは出しません。

設定の変更が進行の妨害に繋がった形も無視はできません。

チャッキーといえば包丁を片手に襲いかかるイメージが強いです。それを今作も継承したのですが、私は彼が包丁を持つ意味は無いに等しいと思います。何かわざとらしく、うざったいシーンでした。

チャッキーはAIです。挙げ句の果てには全てを意のまま操る無敵のロボットに変貌するのですが、彼はそこでも包丁を手放しません。自らの手、ということも含まれているのかもしれませんが違和感は払拭できません。

加えてラストの戦いはもうチャイルド・プレイの影はありませんでした......。全くの別物になってしまっています。もちろん、リブートですから納得はできます。が、良くも悪くも最後まで設定に引きずられて終わったなぁ、と感じました。

 

新生チャッキー

リブート版チャイルド・プレイは、再始動と言う意味では成功と言えますが一つの作品の上、またはチャッキーという土台の上ではなんとも言えない作品でした。

面白いのですが、やはりオリジナルのインパクトが強すぎます。

今作は弱々しい設定でしたね。でも続編があるのなら観てみたいです。彼はどこに消えていくのだろうか? 見守りたいです。

4kリマスターされたハロウィンを観た話。

今回はハロウィンの4kリマスター版を観てみました。

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ハロウィン <4Kリマスター版>Blu-ray

ハロウィン <4Kリマスター版>Blu-ray

  • 発売日: 2020/07/15
  • メディア: Blu-ray
 

作品情報

ハロウィンは1978 年に公開されたアメリカ合衆国の映画。

スプラッターホラーの先陣を切った作品でもあり、ジェイソンやフレディなどの先輩に当たる。尚、レザーフェイスの後輩。

シリーズは1〜6。その次にH20、レザレクション、続いて2019年にはハロウィン一作目の続編としてのハロウィンが公開されました。全9作品と現在まで人気は高い作品です。

4kリマスターを見て

観始めてすぐに気がついたのは色が落ち着いている。

どちらかといえば私はハロウィンという作品に対して色鮮やかなイメージを持っていました。住宅街の壁としての役割を担う緑の木々やマイケルの服の青さ、包丁の輝き、それらなどが目立っていた気がするのですが、4kリマスターでは白黒に近い色合いになっていて、それによってハードボイルド感が増したような気がします。

全体的にホラー映画というよりも渋いアクションものになった感じです。これはこれで別物の映画のようにも感じますが、私的にはハロウィンの映画の良さが際立っていて良いと思います。

感想

ハロウィンはやはり人の多い住宅街という設定をぶち壊す映画で心の底から恐ろしく、寂しくなる映画になっています。 本来であれば住宅街で怪しい大男が現れると助けを求めて解決されるものですが、ハロウィンは誰も助けてくれません。助けてくれるのはルーミス医師だけ。そこまでは一人で戦わなければならない。

加えてマイケルは銃弾を受けても死なない、運転免許を取っていないのに運転できるなどの特殊能力を持っています。これらの特性を兼ね備えたマイケルに勝てるのは不可能に近い。が、主人公はそんなマイケルの事情を一切知らない。だから反撃を当然繰り返す。しかし案外マイケルも怯んでいく。

 

やはり繰り返し鑑賞していくとハロウィンの良さは正直減少していくのが私個人の感想です。が、何しろシリーズが多く3以外はマイケルも出てきますし、見方は様々ですね。個人的には4も好きです。

4kのジョーズを観た話。

最近発売されたジョーズの4kを鑑賞しました。f:id:babel1107:20200719005604j:image

↑スチールブック (自慢)

 

 

ジョーズは言わずと知れたモンスターパニック、アドベンチャー映画の金字塔。当時は70年代でありながらもリアルなサメを登場させて人々を恐怖のどん底の誘いました。

それが今になって4k。

冒頭だけで興奮がマックスです。私自信は正直あまりジョーズに思入れはなく......。むしろオルカの方が好きなんですけど、やっぱり面白いものは面白い。盛り上がりの場が至るところに散りばめられているし、陸と海の使い分けが前半と後半で切り替わるのが飽きずに観れる。

あと恐怖を感じるのは勿論、サメの大きさが4kになったことによってよりリアルに認識できる。

が、4kを観るにあたって私は個人的に気になる問題がある。それはあまり綺麗に見えないと思うことが作品によってあること。と言ってもこれは勘違いに過ぎない。ブレードランナーで一度こんな体験があった。

そんなに変わらないじゃん。

っと思ってしまったことが。

そこでBlu-rayに変えてみたところ圧巻。雨のシーンのモヤ加減が4kでは全く感じないのだ。やはり雨、海などの水のシーンでは4kの良さが際立つ。見比べるためにも4kとBlu-rayの抱き合わせは必要ですね。(実際いらないけどね)

 

4kで観て変わったと思う点

 

  1. 海のシーン。水の煌めきが綺麗。
  2. サメの質感がより感じ取りやすい。(画質が良くなると作り物感が増すという意見も見かけるが、ジョーズはそう感じなかった。)
  3. 登場人物の表情、汗、眉間のシワ寄せ、など心情が理解しやすくなった。
  4. これらが観客に受け取りやすくなったことによって恐怖が増した。

 

映画の感想

ジョーズは映画全体のバランスが偏ることはないけれど、常に物語の中心にはサメがいる。そのサメを除外するものも一切存在しないし、対抗するものもいない。まさに登場人物の全員が生活する陸とは別の海に身を潜める悪魔に取り憑かれてしまっている。

前半、物語はサメの被害を受けて退治するまでを描き、サメの正体については触れられることが少ない。あくまで人を喰ったサメに過ぎないのだ。責任感を感じるシーンも少ないし、むしろサメを退治する空気に酔っている気もする。が、後半、海洋学者のマット・フーパーがサメの恐ろしい大きさを想定し始めたことによって物語は残酷で非情な扉が開かれてしまう。

「船が小さい。」

この台詞の恐怖は生涯忘れることはないでしょう。ジョーズは誰の心にも刺さる。最も親しみやすい悪魔なのかもしれない。

4kになったことによってパワーアップしたジョーズはいつの時代になっても我々の心に一定の適度な不安を落としてくれるはずだ。

 

おすすめギャング映画、5選

ギャング映画ほど熱くなれる映画を私はマイケル・ベイ監督作品以外知りません。

派手な爆発、もちろんあります。銃撃戦も、もちろん。しかしギャング映画一番の見所は男と男が酒とタバコを挟んで向かい合い、対談するシーンでしょう。ただ、これをカッコいいと理解するには映画の全体像を捉えておかないといけません。今日は話のややこしいギャング映画から簡潔でシンプルなものを紹介していきます。

 

上から順にやさしい作品です。

 

 

 

1.ミラーズ・クロッシング

コーエン兄弟の作品。

硬派なギャングもので、コーエン兄弟お馴染みのコメディ色は控えめ。

イタリア系ギャングとアイルランド系ギャング、二つの勢力争いを描くミラーズ・クロッシングは淡白な物語ながらも重厚な男たちの冷徹な仁義を痛感する内容で、主演のガブリエル・バーンの渋さは一流。上映時間も二時間とギャング映画の中では丁度いい。

加えて独特なカットが多く、特に冒頭のカツラに注目。

パッケージは白色で雪のように感じるかもしれませんが、驚くことに一切関係ありません。

 

2.アンタッチャブル

デ・パルマ監督、ケビン ・コスナー 主演、エリオット・ネスがアル・カポネを逮捕するまでを迫るギャング映画。

スタイリッシュな映像表現は思わずうっとりとしてしまうほどカッコよく、特に有名な階段での銃撃戦は目が離せない。

時代背景も禁酒法と古いアメリカの世界観だが、80年代のアメリカの良さも残しつつ完璧に再現している。こちらも上映時間は二時間ほど。

デニーロの演技や若きケビン・コスナー、そして渋いショーン・コネリーなど見どころは満載。

アメリカのギャング映画とはこれだ!

 

 

3.スカーフェイス

「暗黒街の顔役」をデ・パルマ監督がリメイク。残酷非道なマフィア、トニー・モンタナが暗黒街を乗っ取ろうと企む!

アルパチーノ演じるトニー・モンタナがチンピラからボスに成り上がり、その行く末を描いたスカーフェイスは危うい匂い満載の約三時間みっちり、濃密なギャング映画。

物語自体を追っていくと単調で飽き飽きしてしまう方もいると思います。しかし、この映画の深いところはテーマです。別にギャングの身分が最後にひっくり返るのはよくある設定なのですが、スカーフェイスはその過程をしっかりと描いています。いかに身分の逆転、革命が危険なのかを訴えているように......。

見方は人それぞれですが、かなり深い映画であることは間違いないです。

HIPHOPが好きな方には特におすすめの一作です。

 

 

4.ゴッドファーザー 

ギャング映画の金字塔。間違いない映画です。

コッポラ監督のゴッドファーザーはまさにギャングそのものを描いた作品で、裏切りに仁義、銃撃戦、口論、そして家族愛。すべてが詰まった究極の映画ともいえます。

全三作のゴッドファーザーですが、一作目は物語自体も難しいものではなく、ただ上映時間は三時間ほど。ですが、これは絶対に飽きない。バランスがとてもいいです。最後まで観ればきっと、お気に入りのシーンが見つかるはずです。

 

 

5.ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ

セルジオ・レオーネ監督のこの映画はエクステンデッド版が4時間を超える怪物ですが、最高の映画です。忘れられなくなります。

この4時間の中では巨大な結社を築いた男たちが最後、どのようにして人生の決着をつけるのか、そこまで描かれるわけですがなんと本編のほとんどが回想シーンになっています。それに加えて回想シーンが本当に過去のものであるかも不確かであり、例えるなら近年ではジョーカーのようなラストで幕を終えます。おいおい、結末を言っていいのかと思うかもしれませんが、4時間を観た人でしか味わうことのできない最後なのです。ぜひ見てください。一番のおすすめです。

音楽はエンニオ・モリコーネが担当しており、大変すばらしいです。

 

babel1107.hatenadiary.jp

 

最後に

近年のギャング映画も素晴らしいものが多いですが、昔の味というのは再現では生まれないものだと思っています。時代はいつか失われますが、映像として残ったものは半ば語り継がれれば永遠に残ります。どんどん観ていきましょう。

深夜の地下鉄、ミッドナイト・ミート・トレイン

ミッドナイト・ミート・トレイン (字幕版)

監督・北村龍平

原作・クライヴ・バーカー

 

あらすじ

眠らない街で夜な夜な目を覚まし写真を撮るレオンはある夜、チンピラに絡まれた女性を助ける。

翌朝、助けた女性が行方不明になったことを知ったレオンは昨晩撮った写真を見返し、手掛かりを探す。そこには見かけたことのある怪しい男の姿が写っていた。

レオンは警察に助けを求めても信じてもらえないため、一人で男の正体を突き止めようと男の働く食肉工場までにも足を踏み入れる。そしてレオンの追いかける男、マホガニーこそが地下鉄の行方不明事件にかかわる重要な人物であった。

肉の吊り下がった列車

冒頭から血みどろ、からの 吊革に手を置く人間が死体にすり替わっていたら、と常人では届きそうにない設定を考え付き、映像化するとは恐ろしい。ミストを生み出したキングとダラボンのタッグと似た雰囲気を感じました。が、脚本の点で少し意見の違いが生まれいたそうです。ともかくグロの演出はかなり凝っています。観ていて思わず声を出してしまうほど痛々しい。何せ武器が肉ハンマー。珍しい。

 

急速な物語こそ列車

レオンがマホガニーを見つけ、地下鉄連続殺人事件の全貌が明らかになったあたりから物語の動きが急速に動き出し、現実からかけ離れていき幻想に到着する。そこは列車に乗っているような臨場感があります。

 

感想

ミッドナイト・ミート・トレインはあらゆるジャンルが結合した熱い映画でした。今まで観た映画の中でもかなりの熱を感じましたし、特にアクションの力が凄かった。

評価の別れどころは、やはり現実から幻想へと走っていく物語について来れるかどうか、というところかもしれません。原作はヘル・レイザーを生み出したクライヴ・バーカーです。現実的なホラーよりも幻想的なファンタジーを生み出す作家ですから、原作をチェックしてから鑑賞すると100%楽しむことができるはずです。

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実は身近なジョーカー。

ネタバレがあります。映画鑑賞後に読んでいただけると幸いです。

 

書きたいことがありすぎて混雑してしまったので目次を置いておきます。

 

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書きたいことを先に書くと、ジョーカーは非常に難しい映画だった。

映画の内容が難しいとか、ジョーカーが理解できないとか、深い映画だとか、そういった意味ではなく、単純にどうやってこの映画を観ればいいのかなって。

監督が影響を受けた映画のオマージュが多すぎて映画の中に存在する映画なのか、現実の中にある映画なのか、ジョーカーはただの映画に違いないけど微妙に他の映画の世界で繋がっている。そのせいで集中できなかったのが正直。前半そのペースのせいで面白くなかった。

 

登場人物も意味あって創造しているのは分かるけど、この人いるかなぁ? っていうのも多い。それは僕がジョーカー目当てすぎるが故に巻き起こった感情なのかもしれないけど。でも全体通しては素晴らしい映画でした!

アカデミー賞は確実だ!と宣伝されているけれど獲れなかったら獲れなかったで、それもジョークだ!

 

映画全体の感想

トッド・フィリップス監督! ハングオーバー!シリーズでコメディ映画のイメージが強くジョーカーの監督は意外だったのですが、思い返すと意外でもなんでもなかったですね。

ハングオーバー!シリーズって実際めちゃくちゃグロいと思っています。

狂気的というか。笑えないシーンも個人的にあって、見返して納得しました。これからジャンルを変えてきていろんな映画を撮って欲しいです。

 

ジョーカー、誰もがジョーカーになるかもしれない的なこともよく言われていましたが実際、ジョーカーはジョーカーなんだなって。

前半は「うわー、つまんねぇ。」って純粋に思いました。けれど後半アーサーが雨に濡れたあたりから急激に面白くなりました。邪魔だったものが消えてジョーカーだけになったからかな。

 

舞台がゴッサムということもあってウェイン関連も沢山あって楽しめた。

これはバットマンを知らない人にとっても富裕層の象徴として理解できるだろうし、バットマンを知っている人にとってはこの上ない満足感を得られると思う。

どちらの立場でも楽しめるっていうのが良かった。DCコミックスに縛られすぎることもなく、ジョーカー単作の意味も理解できた。

 

あと不満があるといえばあって、衣装。あの真っ赤な強烈な衣装のエピソード無いんだってガッカリしました......。予告編からも一際目立つ存在だったので。

 

あくまで一つのジョーカー像。

今回のジョーカーは重来のジョーカー像とは少し違っていて、それで否定する意見もよく耳にしました。

ここも個人の考えになるのですが、ヒースジョーカーがおそらく最も有名なジョーカーです。彼のジョーカーの場合、まさに混沌。無から生まれた悪というとカッコつけすぎだとも思いますが、純粋な悪といった感じで人間本来の心を捨てたジョーカーでした。

 

しかしホアキンジョーカーは人間の弱いところが原点になっていて、優しさも持っていたし考えも行動も中身のあるものでした。

人間に近い、本当にただピエロのメイクをしたゴッサムの代弁者であり、それに伴って小物感も凄い。バットマン相手にはポキッと一瞬で倒されそうです。

アーサーの場合、すぐにジョーカーの座を奪われそうです。

それかバットマンと対立することもないかもしれない。

 

私はバットマンの敵となるジョーカーの目線で映画を見始めたわけではなかったので違和感はありませんでしたが、そういったところで違和感を感じる人も多いのではないかと思います。

 

それに、あくまで制作陣の創りたかったジョーカーです。受け入れたくなければ受け入れなければいいだけで、記憶から消してしまいしょう。ちなみに私のジョーカー像は没落貴族でした。

 

やっぱり凄い、ジョーカー熱! なぜ人はジョーカーが好きなのか。

世界はジョーカー熱の真っ只中です。

ジョーカーは最も人気のある悪役であることに間違いはないでしょう。魅力的です。言い方が悪いですが最も金に変えやすい悪役でもあるでしょう。

 

今回のジョーカーは予告編の時点で考えられないほど注目されていました。芸能人を使っての宣伝も控えめでしたし、吹き替えも特にありません。予告編一本で異常な人気を手にすることができたのです。

 

それはなぜか、ある台詞のおかげだと私は思っています。

「俺の人生は悲劇だ。いや違う。喜劇だ。」

印象的な台詞で強烈です。喜劇か悲劇かは己で決める。

世界的なヒットは置いておいて、日本でヒットした理由はこの考えと、さらにそこに合わさったジョーカーの魅力だと。

 

日本の文豪に太宰治という人物がいます。教科書にも載っていますし、知っている方がほとんどでしょう。太宰治の代表作である「人間失格」はまさに喜劇か悲劇か、どっちなんだい?っていう物語であると私は解釈しています。自分は悲劇と思っている人生が他の誰かから見れば喜劇なのかもしれない。喜ばそうと、庇おうとして吐いた言葉が逆に人を傷つけてしまうかもしれない。どの場面において喜劇と悲劇は存在しており正解はない。正解を決めてしまうのが自分。

人間失格」とそれを書いた太宰治は人によってクズと言われます。私生活を探っていけばクズと言われても仕方がないと思います。だって心中を何回も図っているのですから。けれど太宰治の小説には引き込まれてしまう。「人間失格」を読んでいる時の気持ちは衝撃的で覚えています。主人公がどこまでクズな行動を取ろうとも、どこか似ている部分がある。共感できる。でもやってはダメだ。でも太宰はやったんだ。それを見て本能を理性で押さえ込む感覚。、ジョーカーで言えばラストシーンの病室での会話とか......。

 

人がジョーカーを好きになってしまう理由も社会の中で不条理な出来事を受け入れてしまう自分に対する嫌悪感、しかし誰にも気付いてもらえないし反発したところで社会的に殺される。ジョーカーのように人殺しはダメです。けれど問題の解決を確実にするのは殺しだと昔から言われています。怒りが沸けば殺意が湧く。侵入思考は生理現象で、それを押さえ込むのが自分と理性。それを捨ててあたかも民衆の代弁者のように振る舞うジョーカーのような存在を心の何処かで求めているのかもしれません。

 

あとヒットの要因として日本は負け犬の話が売れやすいというのもある。

負け犬が成り上がるというよりも負け犬でありながら吠える姿に感動というか、心打たれる傾向があるそうです。少し分かる気がします。

 

人生はコメディだ!

最後にですが、やはり人生は楽しいものじゃないといけませんね。

私は最近、小説を書いたり脚本の勉強をしたりして人生楽しいのですが、完結に持って行くまで凄い時間がかかって途中で初めから書き直すことも少なくありません。作品を完結にするって当たり前なんですけど難しいと痛感しました。そこで映画を批評するのもなんだか、批判するのも不満を言ったりするのも申し訳なくて詰まります。作り手になって分かるっていうのも素人の自分が言うのも変ですが、本当なんです。孤独でも人間にリスペクトを忘れずに......。