気狂いピエロを観た感想。

ネタバレを含みます。

 

 

ゴダール映画に出会ったのは「アリスインワンダーランド」の話題になった時。

現実に起こりうる悪夢を描いた「ウィークエンド」は夢のような美しい世界ではなく、現実的に押し寄せた「アリスインワンダーランド 」だ。

ウイークエンド Blu-ray

ゴダール映画は好き嫌いがハッキリと別れる映画でもある。

10人に6人は嫌い、意味不明というかもしれないぐらいだ。

その理由としてあげられるのが台詞と映像の脈力のなさ。

と言っても台詞は仕方ない部分もある。

字幕がおかしい場合がゴダール映画には存在するから。

そこで字幕なければ観て感じろ。という芸術映画へと変貌する。

 

今日紹介するゴダールは、気狂いピエロ

男女の破滅的な逃走劇を描くこの作品はゴダールを代表する一作だ。

 

気狂いピエロ [DVD]

気狂い

タイトルの「気狂い」の正しい読み方は「きちがい」。

表現の規制などで稀に「きぐるい」と読ませる場合があるものの、タイトルにふりがなはなく、正しい読みで間違いはない。

この映画には多数の気狂い要素がある。

それは「ピエロ」と呼ばれるジャンポールベルモンド演じるフェルディナンの周りにまとわりつく愛。

愛によって振り回され、最後には命を落としてしまう。我に帰った時には既に取り返しのつかない状況に陥るのは、どうしようもない。

 

ピエロ以外の気狂いは、どこかというと映画全体が気狂いです。

構成が不可思議。

映像から観て取れる情報量が多い。が、しかし会話から得る情報は極端に少ない。さらに映画とは関係ない。

その交差する部分が面白く、コメディ調な雰囲気も少し感じ取れます。

さらにデッドプールのような力を発揮する場面も。

観てる視聴者に合図を送ってきたりと、決して暗い気狂い要素だけが詰まった作品とは違うのです。

 

説明するのが全体的に難しい映画なので、「観たらわかる!」と言いたくなります。

 

原作がある?

この映画には、一応原作となるライオネル・ホワイトの小説があります。

ただ物語のベースを敷いただけで、ほとんどはゴダールオリジナルです。

 

好きなシーン

見所が集まった一本ですので、好きなシーンは沢山あります。

ミュージカルな雰囲気を持った「私の運命線」や、やはりラストの顔を青く染め、爆弾を巻きつけドーン!💥

その後静かに映し出されるギラギラした海などなど。

こうしてみると、何個かテーマに分かれて映し出してる気もします。

 

観終わって一番思ったこと

北野武監督の「ソナチネ」は気狂いピエロの影響をかなり受けた作品だと聞いていました。

比べてみるとかなり似てます。

むしろ北野武監督の初期の時代1〜4の中で暴力による三部作とも言われる「その男、凶暴につき」「3-4×10月」「ソナチネ」はゴダールの影響がかなり出てると思いました。

その男、凶暴につき」はLA大捜査線が濃く現れているので別ですが、「3-4×10月」。これはゴダールです。気狂いピエロです。

あの有名なたけしが大きな草の前でソッといるシーンも気狂いピエロですし、白昼夢を彷彿とさせる演出はゴダール

これを日本版に持ち返したのは凄いと思いました。

 

でも結局わからん気狂いピエロ

日本語字幕で観てる時点で、これは本来の気狂いピエロではないんだなって、最終的に思いましたね。訳が若干違うんですね。日本語での取り方では、微妙なズレが生じて大きくなるんですね...。

2回目以降なら気合で字幕なしで観れそうではあります......